ゲストハウス起業を考える際に一番気になるのが開設までどのくらいの費用がかかるかということですよね。
旅館業の許可を取得して営業を始めるためには、それなりの構造・設備を整えなければなりません。物件によりその費用も様々です。
飲食店などと違い、ゲストハウス開業にかかる費用の相場が分かりづらい点が開業希望の人を悩ませます。
この開業にかかる費用について、実際にゲストハウス開設された方達がブログで費用を公開してくれています。
今回はゲストハウスとその開業費用についてご紹介したいと思います。
Contents
YAWP(ヨープ)(東京)
URL: http://www.yawp.tokyo/home.html
東京都葛飾区にて2015年3月開業の新しいゲストハウスです。
こちらは賃貸でリフォームできる物件を探して営業を開始しました。
こちらのオーナーのブログでホステル開業について書いてくださっています。
開業費用
・ビル全体のリフォーム代 1000万以上
・リネン、家具、電化製品 100万円
・登録関係、その他諸費用 100万円
ぐらいかかったそうですね。
オーナーの話ではリフォーム代で300万円、リネン、家具、電化製品で100万円、許可関係で100万、運転資金100万円の600万円ぐらいが開業で最低限必要な費用ではないかとおっしゃられています。
都内ではもう少しこだわると高いようですが、私も概ね妥当な線ではないかと思います。
品川宿(東京都品川区)
URL: http://bp-shinagawashuku.com/jp/
2009年開業の品川駅近くのゲストハウスです。現在は株式会社宿場JAPANとして法人化されて、2014年には古民家をリノベーションしたBamba Hotelを営業されています。
こちらも賃貸物件で経営されるゲストハウスです。
開業費用
・保証金5か月分など入居費 450万円
・改装費 200万円
・家具電化製品 120万円
・エアコン、テレビ、電話など備品破棄費用 20万円
・運転資金 110万円
オーナーは浅草の外国人向け旅館で半年間修行すると同時に、品川の町づくり協議会で1年間ボランティアをいずれも無賃でしたそうです。
こうした活動が信頼につながり、多くの手助けが得られたそうです。
凄い熱意ですね。
札幌ゲストハウスwaya(ワヤ)
URL: http://waya-gh.com/
札幌で築43年の民家を改装してオープンしたゲストハウスです。
こちらは開業資金が200万円と少なく、セルフビルドとクラウドファンディングを利用して資金を調達しました。まさに現代のゲストハウスという感じですね。
内装、外装とも素晴らしくとても低予算で作られたゲストハウスとは思えません。色々な方の協力のもとに完成されたそうですが、ここまでのものを完成させるのはすごい熱意だと思います。
社員やスタッフを募集しており経営も順調なようですね。
開業資金
200万円
SOCIAL HOSTEL365(札幌)
URL: http://socialhostel365.com/
札幌のすすきのにある素敵なゲストハウスです。とんかつ店として使われていたビル1棟を改装してオープンされました。
開業までの経緯は以下のブログで読むことができます。
参考ブログ: http://www.canworks.info/entry/socialhostel365-chiikiokoshi
自分たちで作業することによって時間がかかりますが、開業費用を圧縮できることが分かりますね。
お金がないからといって諦めず、自分達の夢を叶えるためにあらゆる手段を実行している点は熱いものを感じます。
開業費用
工事費・初期費用 1500万
(実際には1000万に節約したそうです。)
ゲストハウスの始め方
ゲストハウスを始めるには
- 営業物件の取得
- 簡易宿所営業の許可の取得
が必要です。
営業物件の取得
営業物件の取得については、旅館業法、建築基準法、都市計画法、消防法等様々な法律が関わってきますので注意が必要です。
特に一戸建てをリノベーションしてゲストハウスにする場合には、「居宅」から「旅館・ホテル」に用途を変えるので全く違う建物の基準で評価されます。
必要な設備や構造が異なりますので物件選びの際は建築・消防の最低限の知識は身に着けておきましょう。
物件探しについては以下の記事を参考にしてみてください。
参考記事: 基本から丁寧に解説!合法民泊、Airbnbのための物件探し方マニュアル
簡易宿所営業許可の取得
ゲストハウスを開始するのに必要なのが旅館業許可です。
ゲストハウスでは旅館業許可の一つである簡易宿所営業の許可というものを取得します。
取得の仕方については以下の記事を参考にしてみてください。
参考記事: 今後Airbnbに絶対必要!「簡易宿所」許可の取り方
許可申請の手数料自体は1万円~3万円程度ですが、専門的な知識と役所との交渉が必要になります。
簡易宿所営業の許可の専門家である行政書士に頼む場合は20万円~30万円ほど費用がかかりますので、その分の予算を確保しておくことも大切です。
まとめ
私もゲストハウス開設に関わることもあるのですが、皆様行動力が凄いですね。
目の前に壁があってもよじ登って乗り越えていく姿勢には感服いたします。お金よりも「どうしてもゲストハウスがやりたい」という気持ちが大事なんですね。
自己資金が200~300万円あれば、創業融資等の活用を条件にゲストハウスをオープンできるのではないでしょうか。私の考えでも物件を借りてオープンまでかかる費用は大体300~1000万ぐらいだと思います。
通常の飲食店起業の費用と同じぐらいです。
また最近では資金を集めるのにクラウドファンディングの利用が流行っています。
クラウドファンディングとはインターネットを使って不特定多数の人からお金を出してもらうシステムです。興味のある方は以下の記事を参考に見てください。
参考記事:ゲストハウス開設のためのクラウドファンディング活用法
ゲストハウス開業を考えている方はある程度自己資金を準備しておきたいですね。