民泊・ゲストハウスの物件探しはなかなか難しいです。物件選びを間違えると営業開始できず、高額の手数料を払って転売をするしか手段がなくなります。
基本的に住宅を買って民泊・ゲストハウスに使う場合には建築物としての区分が違うので注意が必要です。建築物に関する正しい知識がないと思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
今回は東京都内での物件探しで引っかかりやすい「窓先空地」について解説いたします。
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窓先空地とは
東京都建築安全条例では、簡易宿所の火災の避難を容易にするために、簡易宿所の敷地部分において、幅員数mの空地を設けることを求められる場合があります。
要は避難用に窓の外側に避難用の空地を設けておかなければならないという規定です。避難のための制度なので窓がすぐ道路に面しているような場合は窓先空地を設ける必要はないですね。
この窓先空地の制度は、東京都や横浜市など一部の自治体でのみ実施されている制度です。その中でも東京都は最も厳しい窓先空地の基準を設定しています。
もし窓先空地が規定の数値に満たなかった場合には建築確認申請をすることが出来なくなります。戸建て住宅を用途変更する時には必ずチェックしなければいけない項目です。
東京都内で窓先空地として求められる基準
東京都建築安全条例において、簡易宿所は共同住宅の窓先空地の基準より緩和されています。
簡易宿所では宿泊室の面積に応じて以下のような基準が定められています。
耐火建築物の場合
宿泊室の面積が200㎡以下 | 窓先空地の幅員が1.5m以上 必要 |
宿泊室の面積が200㎡超 | 窓先空地の幅員が2m以上 必要 |
耐火建築物ではない建築物の場合
宿泊室の面積が100㎡以下 | 窓先空地の幅員が1.5m以上 必要 |
宿泊室の面積が100㎡超 | 窓先空地の幅員が2m以上 必要 |
また、窓先空地から道路・公園・広場等までを幅員2m(宿泊室の床面積の合計が200㎡以下の場合には幅員1.5m)以上の道路で避難上有効に連絡させなければなりません。
窓先空地の幅員に要注意
一戸建ての場合、窓先空地の制度は適用されていませんので用途変更においてこの基準を満たしていない場合があります。100㎡未満でも建築基準法に適合させる必要がありますので窓先空地が必要です。
この基準を満たしていないと大規模な改修工事が必要になってしまいます。
都内や横浜その他条例で窓先空地が求められている地域では、必ず窓先空地を検討項目にいれておいて下さい。