Airbnbを利用しているゲストが宿泊先で騒音を出したり、ごみ投棄などのマナー違反が社会問題になりつつあります。
これに対して民泊に関する世界最大手サイトのAirbnbが近隣住民のための苦情受付窓口を設置するようです。
しかし、平成28年4月8日現在、まだ窓口の設置は完了していないので、直接苦情をAirbnbに対していうことはできません。
こうした苦情は一体どこへ言ったらいいのかお悩みの方もいると思うので解説してみたいと思います。
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Airbnbの設置する窓口とその姿勢
平成28年3月14日に行われた内閣府規制改革会議で、Airbnb日本法人の代表を務める田邉氏が、グローバル全体の施策として苦情窓口設置の旨の発表をしました。
今後Airbnb日本法人では警察との連携を強化し、警察との窓口の設置を検討するようです。
地域の住民について「シェアリングエコノミーを行わない人との共存が必要」とAirbnbも考えているようです。
日本に限らず問題となっているのは、騒音やごみ投機などをめぐり近隣住民とのトラブル、無断転貸による大家さんとのトラブルです。
こういったトラブルに対してどこへ苦情をいったらいいのか迷われている方も多いです。
※2017年1月11日追記
Airbnbでは苦情相談窓口として「Airbnbと近隣のホスト」というサイトを公開しています。
「Airbnbと近隣のホスト」の使い方
1.「Airbnbと近隣のホスト」にアクセス
Airbnb掲載物件への苦情を行うにはまず以下のページにアクセスします。
後で苦情の内容のフォームにおいて、Airbnbで掲載している物件のURLを求められるので、アクセス前にメモっておくといいでしょう。
Airbnb苦情受付窓口: Airbnbと近隣のホスト
アクセスすると以下のようなページになりますので真ん中あたりにある「問題を選択」の所をクリックします。
問題には以下のような種類があります。
- 騒音・騒動、パーティー
- 公共のスペース(駐車場、ごみ集積所など)
- 近所のホスティング全般にまつわる懸念
- 個人の安全または犯罪行為
個人の安全または犯罪行為について緊急の場合は、最寄りの警察またはその他の救急サービスに通報することを求められます。
犯罪行為などはAirbnbではなく警察に通報しましょう。
2.氏名、メールアドレス、電話番号を入力
トラブル内容を送信というフォームが下の方にでてきますので、そこに氏名、メールアドレス、電話番号を入力します。
入力した情報はAirbnb個人情報保護ポリシーにおいて保護されます。
入力して次を押すとメールアドレス宛に以下のような内容の確認のメールが届きます。フォームに進む前にメールアドレスの確認作業が必要となるようですね。
「メールアドレスを確認する」をクリックすると苦情のフォームへ自動的に進みます。
3.物件のURLと苦情の内容をフォームに入力して送信する
「メールアドレスを確認する」をクリックすると「トラブルの内容を送信」の下のところにフォームが出てきます。
まずはフォームに物件が掲載されているURLを入力します。
なお、この段階でAirbnb.jpから物件を検索することも可能です。
フォームにURLを入力ができたらトラブルの内容を書きます。「ホストへ伝えてほしいこと」と、「Airbnb側へ伝えたいこと」がそれぞれ1000文字まで入力できます。
各フォームへ入力が済んだら、最後に連絡先情報を該当するホストに公開するかどうかを選択します。
メールアドレスや電話番号がホストに伝わるので慎重に考えて選択してください。何も選択しなければ、苦情を入れる側のメールアドレスや電話番号が伝わることはありません。
最後にピンク色のトラブル内容を送信のボタンを押すと、Airbnb側へ苦情が伝わります。
トラブルを送信するとどうなるのか?
トラブル内容を送信したからといってAirbnb側が全て対応してくれるわけではありません。
トラブル内容はAirbnb側の担当者によって内容が確認されます。Airbnbに掲載中の物件であることが特定された場合には、該当するホストに伝えてくれるようです。
トラブル内容を書くときにはきちんと物件について証明する必要があるので、ただ苦情のみを書くのではなくてその場所でトラブルが起こっていることをきちんと証明できるような客観的事実を書きましょう。
近隣住民は保健所へ相談!
民泊は特区民泊を除いて、旅館業法上の「簡易宿所営業」に当たります。
旅館業を監督しているのは、厚生労働省で、関係官庁には、国土交通省、総務省、消防庁があります。
ただし、実際に現在横行している無許可の民泊に対して、苦情を受け付けて調査を行ってくれるのは各自治体の保健所です。
もし、近隣で民泊に関して苦情のある方は、まず保健所に相談するのがよいでしょう。
現在無許可で行っている民泊施設については、営業許可のない宿泊施設に人を泊めないよう行政指導をし、悪質な場合には警察が動きます。
行政指導については、法的な拘束力はないので直ちに無許可の民泊をやめさせることはできませんが、行政指導に従わないでいると警察が動きだすので、たいがいは行政指導の段階で民泊施設の運営を諦めています。
ただし、保健所の職員は民泊に関する苦情や通報を受けると、現地へ出向いて、宿泊者に会えれば話を聞き、所有者や借主を割り出して、宿泊施設を聞くなど、1件の処理に相当な時間と手間がかかるので対応にも限界があるのは確かです。
大家さんは管理会社や法律家に相談を
部屋を貸したが無断で民泊施設に使われてしまっている大家さんも多いです。
そういった場合は、賃貸借契約を解除することができます。
内容証明郵便などで相手方に契約解除を通知しましょう。
それでも相手が出て行ってくれなかった時はかなり厄介です。
強制的に相手を追い出すには、現状裁判を起こして判決を得る方法しかありません。
力づく追い出そうとすれば、逆に罪に問われてしまう可能性もあります。
つまり、建物明渡請求について自分で訴訟を行うか、専門の弁護士や認定司法書士等に頼まなければなりません。
これには費用も労力も時間もかかるので、なかなか大変です。費用は50~100万ぐらい、期間は3か月~6カ月はかかると思っておいた方がいいです。
Airbnbが物件の掲載を停止する権利を留保している契約なので、今後苦情相談窓口が設置されれば、そこで何かしらの対応を取ってもらえる可能性はあります。
大家さんや管理会社のすべきことは、まずは相手に連絡を取って契約を解除して、自発的に出て行ってもらうことですね。
まちづくりには一定のルールが必要
「民泊」は大変すばらしいものだと私は思いますが、みんなが好き勝手に行動したら、社会の秩序が乱れて混乱します。
みんなが気持ちよく暮らせるように設けられているのがルールです。
きちんと社会の一員としての意識をもって、ルールを守ってトラブルを起こさないような配慮がホスト側に強く求められますね。
民泊のトラブルに関して何かお困りごとがあれば当事務所でもご相談にのりますので
よりメッセージを頂ければと思います。