民泊トラブル

ナイフを持った外国人が木を切りに来る!?増えるトラブルから学ぶ民泊施設の対策。

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民泊施設の増加とともに、民泊施設と近隣住民とのトラブルの件数は増加しています。民泊施設を運営するものにとっても近隣住民にとっても頭を悩ませる問題です。

最近では京都市が民泊施設からでるゴミを事業ごみとして回収するという対策を行いました。

東京でも民泊の苦情受付件数は増えてきています。

今回は苦情・トラブルを見ながら民泊施設運営者の注意すべきポイントをご紹介したいと思います。

 

Contents

増える民泊の苦情件数

新宿区衛生課資料より

新宿区衛生課資料より

 

東京都新宿区保健所衛生課のデータによると、平成27年度の苦情受付件数は57件で前年度の9件よりも大幅に増加しています。その中で民泊疑義・旅館業法違反の苦情が49件となっています。

民泊に関する主な苦情の内容は以下のようなものです。

  • 見知らぬ外国人が、短期に出入りし、常に不安である。
  • 深夜のドア開閉や共用部分での雑談など、昼夜を問わず騒音が絶えない
  • 入居契約や管理組合の規定に違反している
  • ゴミ分別せず退室日に出すことや、どこでも喫煙するなど生活ルール違反

当事務所で扱う相談でも入居契約や管理規約違反のご相談が多いです。

この原因としては民泊施設運営者がその部屋にいないこと、宿のルールが徹底されていないことがあげられます。

違法の民泊施設では通常鍵の受け渡しなどはポストを介して行われ、ホストが部屋にいないことがほとんどです。旅行者に対してルールの説明もきちんと行われず誰も管理者がいないことでこうした事態が起きています。

こうした事態が発生しているからには管理規約の説明や住民からの苦情対応を義務付けさせることが必要ですね。

やはり民泊を行う上で近隣住民の理解というのは必要不可欠です。きちんとした説明がなされない限りは住民の方の不安も解消されません。

深刻なトラブル事例

外国人旅行者に絡んだ深刻なトラブルも何件か発生しています。以下がそのトラブル事例です。

  • 真夜中に、外国人宿泊客に傘を盗まれたり、植木鉢を割られるなどの被害受けた。
  • ナイフを持った外国人宿泊客が自宅敷地に入り、木を切っていたため警察に通報した。
  • 中国人宿泊者が、自宅敷地に入り物干しに多くの洗濯物を干してしまうので警察に通報した。
  • ハロウィンの日に日本人約30人が、夜中に大音量の音楽を流すなど騒ぐため、警察に通報し注意してもらった。

こういったトラブルがあるようでは施設の運営事態が難しくなります。

文化の違いもあるので、外国人旅行者のトラブルを0にするといったことは難しいと思いますが運営者はきちんと管理していく必要があります。やはり施設に人がいない状態でトラブルを防ぐのは難しいのではないでしょうか。

 

どんな施設でトラブルが起きやすいのか?

これは圧倒的にマンションなどの共同住宅でトラブルが多くなります。本来旅館業の許可を取得しようと思うと共同住宅で営業するのは難しい部分があるのですが、トラブルの73.5%が 共同住宅です。

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トラブルを防ぐ意味では施設は一戸建てもしくはマンション一棟を民泊施設にすることを検討すべきでしょう。
最近ではどこの管理組合も民泊・シェアハウスの禁止規定を入れているので法令でも共同住宅に対して規制をかけた方がいいのではないでしょうか。

 

保健所に苦情をだして解決したのはわずか25%

保健所が苦情を受け付けると調査をしてくれます。新宿区の場合では49件の苦情のうち処理を完了したのが13件で、わずか26.5%です。

その他は営業者側を特定中や営業行為の調査中、法に基づき調査中、所在不明のため対応不能となっています。

 

新宿区の民泊施設に対する要望

苦情・相談が増加する中、新宿区も民泊サービスについて要望を出しています。

民泊サービスを旅館業法に位置づけ、施設については

  • 営業者が管理者となって施設ごとに管理者設置
  • 管理者の常駐
  • 設備の基準について独自の条例を制定
  • 営業者による感染症の予防対策
  • 立ち入り検査、不利益処分、罰則の適用

上記の事項について旅館業法適用除外としないこととし、近隣住民への説明、賃貸借契約の確認、看板の掲示を新たに求めています。

またAirbnbなどのあっせん・予約を取り扱うものに対して法に基づく適切な措置を講じることも要求したいようです。

 

まとめ

民泊施設を運営する上で近隣トラブルの問題は避けては通れません。すこしでもトラブルを減らすため、物件選び、施設の設計段階から配慮することが求められます。

今はまだ相談件数自体多くはありませんが、この先民泊ビジネスを日本で行っていけるかは、運営者の意識にかかっています。

ホストをする限りは、旅行者も近隣住民も気持ちよく過ごせるよう努力していかなければなりません。

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