UR(都市再生機構)の賃貸マンションにおいて外国人旅行客に部屋を有料で貸し出す「民泊」が行われていることが問題となっています。
今回はUR賃貸住宅で民泊を行うことの問題点と違法民泊対策について書いてみたいと思います。
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URは住宅を供給する独立行政法人
URはもともと日本住宅公団といい、住宅の取得が困難な労働者に良質な住宅を提供する目的で設立されました。日本がまだ貧しかった昭和の時代には、住宅事情の改善に効果を発揮してきました。
URは政府組織という圧倒的立場にあります。URの場合、資金のほとんどは政府の財政投融資資金から出ています。民間企業は開発を行うために銀行から融資を引き出す必要があるのとは大きな差があります。
UR賃貸では仲介手数料、礼金、更新料、保証人不要で部屋を借りることができます。昔とは役割が違いますが良質な住宅を安い値段で供給するという点においては変わっていません。
この制度を悪用して安い値段で部屋を借りて、民泊事業に転用して儲けを出そうと考える輩が最近多くなっています。本来住宅取得に困っている人に対しての事業なのに、営業用として使うのはとんでもない話ですね。モラルというものがないのでしょうか。
UR賃貸住宅では転貸借ができません
UR賃貸住宅は第三者に貸し出すいわゆる「また貸し」については管理規約において明確に禁止しています。
URによると、民泊が行われていたのは主に東京や大阪などにある賃貸マンションで利用された部屋は分かっているだけで数十か所にのぼるようです。実態はもっと多いと思います。
URではまた貸しが明らかになった場合には、是正を求めるとともに、契約を解除して退去を求めることもあるとのことで、違反していたいずれの部屋においてもすでに民泊をやめたり、退居したりしています。
URと国の今後の違法民泊への対応
URでは、マンションの巡回の回数を増やすほか、民泊を仲介するインターネットサイトに物件の情報が載っていた場合には削除を要請するなど、対策を強化することになりました。
今後国の方でも対策強化に乗り出します。具体的には、民間業者に委託して違法な民泊の監視を強化するとともに、必要に応じて自治体が立ち入り検査を行えることを検討しています。
違法な民泊行為に対しては罰則強化が予想されます。違反が見つかった場合には運営業者に罰則を課すほか、悪質な業者に対しては業務停止命令を出すことになるでしょう。
まとめ
UR賃貸に本当に住みたい人が違法な民泊営業を行う人のため入居できないのは大変おかしなことだと思います。
初期費用が安く、質のよい住宅が供給されるのは営業行為のためにあるのではありません。
制度を悪用した不正な使用はやめて頂きたいものです。