京都市の門川大作市長の定例会見で旅行者を一般住宅やマンションに宿泊させる「民泊」について独自の施策を打ち出すと表明した。
具体的には、現在の民泊施設に対して「簡易宿所営業」として許可をとるように働きかけを行う。
同時に市街化調整区域や住居専用区域での宿泊施設立地規制の見直しも行う予定。
市長は「宿泊客の皆様に、許可を受け、安全・安心の確保された宿泊施設を利用してもらうことが「おもてなし」につながる」との考えから違法な民泊は許容できないとの考えを示しています。
京都市では無許可の民泊に対しても平成28年4月11日に以下のような声明を発表し、許可を取るよう促しています。
京都では過去にも業者が書類送検されました。
2015年12月には京都市内で無許可で民泊を繰り返していた業者が書類送検されたという事件がありました。
京都は現状日本で民泊に対して最も厳しい対応を取っています。
2015年12月には、民泊対応のプロジェクトチームを設置して、個人宅やマンションを使った「民泊」の実態調査を行っていますし、旅館業法などの法令に基づいて運営されていない施設には指導を行っています。
基本的な方針としては、ホテルと比べて宿泊客受け入れに余力のある旅館などへの観光客誘導を図る考えで、外国人観光客が増加しているからといって民泊を黙認してくれる可能性は低いでしょう。
また旅館・ホテルなどの業界団体の反発も強く、府旅館ホテル生活衛生同業組合は府と市に対して、民泊施設の立ち入り検査や日常的な行政指導の徹底を要望しています。
無許可の民泊に対しては旅館業法上のもと運営されているわけではないので立ち入り調査権限がなく難しいのですが、今後条例を制定しての立ち入り調査等も予想されます。
民泊に関してマンション住人からの苦情が増えているようで、今回の施策で本格的な取り締まりを開始するかもしれません。
安全・安心な運用を心掛けよう
民泊は社会との調和をうまく図らなければ成立しない制度です。
外国人の所有している日本の物件を海外のサイトを利用して仲介している件数も多数あるので、京都市の対応だけではおそらく状況は改善していかないでしょう。
行政指導なども相手が海外在住ではほとんど効果を望めません。
サイトに対しての要請や、物件所有者に対しての罰則なども検討していくべきでしょう。