東京都大田区では、自宅の空き部屋を有料で貸し出す民泊を、手術の付き添いで長期間病院近くへ宿泊する家族に対して、低価格で利用できるように関係機関との間で協定を結ぶ話をすすめています。
近くに宿泊してもらうことで緊急時にすぐに対応できるのは、病院側にもメリットがありますし、民泊施設を低価格で利用できれば家族の経済的負担も軽減することができます。
大変素晴らしい制度ですね。
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病院との提携の内容
今月中にも大田区は区内の大学病院と民泊の運営会社との間で協定を結ぶ方針を固めています。
大学病院内では子供の腎臓病の移植手術で親などが付近に1カ月以上にわたり滞在するケースが多いそうです。
1カ月という単位で通常の宿泊施設を借りると多額の費用がかかってしまいます。
そこで空き家等を活用して民泊運営を行なっている業者と提携して、低価格で滞在できるよう区と病院と業者が一体となって仕組みづくりを始めました。
特区民泊は長期宿泊のニーズとの相性がいい
大田区では滞在日数が「6泊7日以上」の特区民泊の制度を導入しています。
大田区の特区民泊は、外国人旅行者のニーズとはあまりマッチしない制度で使いづらいといわれています。
しかし、病院付近に滞在する家族、長期出張での宿泊先、研修所としての利用など旅行者以外に目を向ければ、長期間家のようなリラックスできる宿泊施設の需要は多くあります。
大田区長も
アットホームな雰囲気で長期間滞在できる仕組みとして、民泊を有効活用するとともに、大田区の民泊は安全で安心だというイメージを定着させたい。
と語っています。
実際に湘南地域でも合宿先として民泊施設を利用しているケースもありました。
旅行者以外の長期宿泊利用と特区民泊の組み合わせを使っての運営も面白いと思います。
民泊の社会福祉分野での活用の可能性
民泊は社会福祉分野での活用も注目されています。
増え続ける空き家の対策に有効ですし、修学旅行での農林漁業の体験学習や国際交流の場の提供としても活用されています。
今回のように病院と提携して、家族の経済的負担を軽減することなど、まだまだ活用の可能性はあります。
沖縄県の池間島では、70~90歳代になる高齢者のみなさんがいきいきと民泊の受け入れを行っているそうです。
高齢者の知識を子供たちに伝えるという役割を通して、生きがいと楽しみを感じているとのことです。
人と人との交流を生み出す民泊を福祉的な分野での活用もこれからどんどん検討されていくことになるでしょう。
まとめ
民泊を活用することで、手術を行う子供等に家族が無理なく付き添えるようになれば素晴らしいですね。
自治体は条例を作って制限するだけでなく、積極的に活用方法を探っていってほしいですね。