政府が新たな制度の枠組みで民泊運営についてのルール化を進めている中京都市は制度についての要望書を提出しました。
京都では違法民泊に対して厳しい姿勢を取っており、政府案のルールよりも厳しい規制を設けたいように思います。
京都市の民泊に対する考え方を書いてみたいと思います。
政府案では不満な理由
京都市は観光庁に対して、地方自治体が地域の実情に応じて条例で制度全体を広く運用できるよう求めています。
政府の方針では、住居専用地域での民泊開設可否のみを地方自治体が判断に委ねることになっていますが、京都市としては住居専用地域以外にも規制をかけたいのでしょう。
要望書においては、民泊で「周辺の方々の暮らしを脅かすようなトラブルが多発」していると指摘しています。
京都の消防の方と電話で話をした時も、一日に数十件こうした問い合わせがあるとのことでした。
民泊の制度化には「地域の実態と中長期的な観光客の受け入れや地域の宿泊観光振興などの観光政策を踏まえた考慮」が必要と訴えています。
この辺りの動きには、京都のホテル・旅館業組合の主張や、京都市の地域性が大きく関係しているように思います。日本人観光客が多い地域ですし、特にインバウンドの需要に頼らなくてもいいという考えなのかもしれませんね。
京都市は民泊を排除しようとしているわけではない
京都市では違法な民泊施設が多く、対策チームや相談窓口を設置するなど民泊に対して厳しいイメージがありますが、あくまでそれは違法なものに対してです。
旅館業許可の情報開示については他の市町村よりも詳しく行っていますし、旅館業許可自体の要件が特別厳しいわけではありません。もちろん、景観条例などで独自の規制はありますが。
京都市としては、一定の制度のもと宿泊施設を運営させることで、きちんとしたおもてなしをして、旅行者に安全安心な旅行を楽しんでもらい「京都」というブランドを守っていきたいという考えなのでしょう。
京都市は取り締まりは日本一厳しい都市ですが、旅館業許可についてはむしろ親切な対応をしてくれる都市だと思います。
旅館業許可申請は東京の一部の地域の方が大変だと思います。
まとめ
京都市内で民泊運営を考えている方は、まずきちんと旅館業の許可を取ることが大前提です。
要望書を出したことからおそらく住宅地の民泊解禁は難しいでしょう。
物件をきちんと選び、旅館業許可の要件を満たせば許可は取れますので、厳しいというイメージで諦めず京都での営業も検討してみてください。