民泊と法律

民泊仲介業者は旅行業登録を義務付けへ

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3月24日の政府の発表によると、一般住宅に有料で観光客を泊める「民泊」について、インターネットなどを利用して民泊の仲介事業をする業者は旅行業の登録をさせるという検討に入ったようです。

 

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旅行業とは

旅行業とは「旅行者に対して旅行ならびにそれに付随する各種のサービスを提供して報酬を得る業務」のことです。

旅行業法では「運送または宿泊サービス」を取り次ぐ行為が旅行業にあたると定義しています。

旅行業法では、次の4つに分けられています。

第一種旅行業者 国外・国内の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行など、すべての旅行契約を行う業者。
第二種旅行業者 国外の募集型企画旅行を除く、旅行契約を行う。
第三種旅行業者 国外・国内の募集型企画旅行を除く、旅行契約を行う。
旅行業者代理業者 特定の旅行業者を代理した旅行商品の販売を行う。

第一種旅行業については、観光庁長官、それ以外の旅行業務に関する主たる営業所を管轄する都道府県知事の行う登録が必要になります。

民泊仲介業者は第三種旅行業者で登録を命ずるものになるでしょうか。

 

旅行業の登録をするためには

旅行業の登録をするためには以下のような要件が必要です。

  • 登録の拒否事由がないこと
  • 定款及び法人登記簿の目的に「旅行業」又は「旅行業法に基づく旅行業」との記載があること
  • 基準資産額が第一種の場合は3000万円以上、第二種の場合は700万円以上、第三種の場合は300万円以上、地域限定の場合は100万円以上
  • 営業所ごとに1人以上の旅行業務取扱管理者を選任すること

条件としては、それほど厳しいものではありませんが、登録をすると営業保証金の供託をしなくてはなりません。

第一種の旅行業は営業保証金が7000万円必要で高額です。
第三種の場合は300万円で、旅行業協会に加入すれば弁済業務保証分担金として60万円の供託で済みます

このあたりは宅建業の規定と似てますね。
営業について損害があれば供託金から支払われます。

また観光庁や、都道府県担当窓口で申請前にヒアリングがあり、審査もあります。
書類だけ作成すれば登録できるものではありません

 

旅行業の登録が拒否される場合とは

旅行業の登録は誰でもできるものではありません。
特に旅行業を営むものに対して大まかに以下のような規制があります。

  • 旅行業又は旅行業者代理業の登録を取り消され5年を経過していない者
  • 禁固刑又は罰金の刑の執行が終わってから5年を経過していない者
  • 申請前5年以内に旅行業務に関し不正な行為をしたもの
  • 未成年者で、親などの法定代理人が旅行業務に関して不正をしている者
  • 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
  • 営業所ごとに旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められないもの
  • 財産的基礎を満たしていない者
  • 旅行業者代理業を営む者で、代理をするもとが2社以上である場合

大体常識的なところが盛り込まれていますが、不正な行為に関しては5年という期間であることと、旅行業者代理業の規定には注意を要しますね。

 

今回の政府の検討について

政府は、無許可で宿泊事業を行う”違法な民泊”を法整備でどうにかしたいという思惑があるようです。

Airbnbの国内登録件数は急増しており、無許可民泊やその仲介業については事実上野放しの状態です。
民泊をめぐっては、管理が行き届かず、旅行者と近隣住民の間でトラブルになるケースもあり、必要な法整備をすすめるようです。

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