東京の練馬区では民泊サービスを含めた旅館業施設への対応を強化するようです。
旅館業許可手続きのルールづくりと消防・警察と連携しての無許可民泊への対応強化が主なものとなるようです。
練馬区の民泊対応について書いてみたいと思います。
練馬区の従来の対応
私も練馬区の役場との交渉にいったことがありますが、その時は手引きも指導要綱もなく、民泊の申請はあまり行われていない様子でした。
保健所のスタンスでは東京都の条例に合わせてくれれば問題ないとのことでしたが、フロントの設置、事前周知の掲示、管理者の常駐と同等の代替手段などの話し合いはありました。
また消防でも民泊の事例はほとんどなく担当の方も設備についてはあまり詳しくは知らない様子でした。
ただオリンピックに向けて国から宿泊施設について色々協力してほしいとの連絡を受けている雰囲気はありましたね。
練馬区の民泊対応策
練馬区の今回の対応策は以下の3つです。
- 法令・条例等に定める内容のほか、新たに要綱を制定し、旅館業法に基づく許可申請者を指導
- 消防・警察等関係機関と連携し、無許可民泊施設の把握と施設所有者などへ旅館業法違反是正を指導
- 区ホームページなどで適正な手続きを周知
1番目についてですが、要綱を設置されると旅館業許可が厳しくなるのではないかと心配される方もいるかもしれませんがそんなことはありません。
要綱とは法令の根拠なく内部事務の取り扱いを定めるもので特に強制力のあるものではありません。その性質は「行政指導」であり、あくまでも任意の協力を求めるものですね。
法令に基づく許可要件と要綱との関係性で協力しなくてもいいもの、要件の判断材料になるものなどがあります。判断は専門家でないとなかなか難しいですが要綱に従わないことのみをもって許可をおろさないのは違法行為となります。
以下に行政手続法第34条を示しておきます。
(許認可等の権限に関連する行政指導)
第三十四条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。
要綱は基本的には行政からのお願いですからね。
2番目は最近どこの地域でも無許可の民泊施設に対して保健所は厳しい対応を取り始めたので当然ですね。
3番目についてはインターネットで旅館業許可申請についてインターネットで案内してくれますので分かりやすくなるのではないでしょうか。
まとめ
練馬区は管理者の常駐が条例で求められていませんので民泊をするための簡易宿所営業の負担は比較的少ない地域です。
もともとホテル・旅館などの旅館業許可の申請件数自体少ないところですが、そういったところまで民泊対応に乗り出しているところから民泊への世間の関心の高さが伺えますね。