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分譲マンションでのAirbnbを差し止めるための主張の仕方

   

大阪高等裁判所、地方裁判所_簡易裁判所(本館および別館)

先日大阪地裁で違法民泊差し止めの判断がされたということで話題になりました。

大阪市内の分譲マンションの管理組合が民泊差し止めの仮処分を申し立てて、それが認められた形になります。

詳しくは以下の記事を参照して下さい。

参考記事: 無断民泊対策に民泊差止めの「仮処分」!大阪地裁の決定で新たな対策

この裁判において、管理組合側のどのような主張が認められて仮処分が下されたのかについて書いてみたいと思います。

少し専門的な話で難しいかもしれないですが、違法民泊でお困りの方はぜひ読んで頂きたい内容です。

 

違法民泊の差止請求訴訟

大阪地裁ではマンションの管理組合の主張を受け入れる形で部屋の区分所有者に民泊営業の差止を命じる仮処分を出しました。

こうした仮処分を裁判所からだしてもらうためには、

  1. 差止請求をする人に守るべき権利が存在する
  2. 著しい損害の発生または差し迫った危険を避けるために権利を守っておくことが必要がある

という条件を満たさなくてはなりません。

条件を満たすために管理組合側が行った主張としては主にマンションの安全面についてのものでした。

 

管理組合側の主張と所有者側の反論

マンションなどの一棟の建物をいくつもの部分に区切って、それぞれ所有させる方法を「建物の区分所有」といいます。

この区分所有に関して適用される法律が区分所有法という法律です。大阪地裁への訴えでは「無断の民泊は区分所有法の規定に違反する部分がある」という主張がなされました。

区分所有法には以下のような規定があります。

第六条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
3 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に
準用する。

「区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」という規定ですね。こうした行為を専門的には「共同利益背反行為」といいます。

この規定があることにより、管理組合等が他のマンションの住人の権利を代わりに行使して、共同利益背反行為をやめさせることができるようになります。

共同利益背反行為には、

  1. 建物の保存に有害な行為
  2. 建物の管理又は使用に関し有害な行為

に分かれていて無断の民泊は「建物の管理又は使用に関し有害な行為」に当たる可能性があります。

その判断基準としては、東京高等裁判所昭和53年2月27
日判決(昭和51年(ネ)第2565号)が規範を示しています。

同判決では、

共同の利益に反する行為にあたるかどうかは、当該行為の必要性の程度、
これによって他の区分所有者が被る不利益の様態、程度等の諸事情を比較衡量して決すべきものである

とされていて、その行為を行う「必要性」と周りの住民が被る「不利益」とを天秤にかけて考えることになります。

 

マンション管理組合の主張

マンションの管理組合側は、主に以下の2つの点を主張しました。

  • 玄関はオートロックなのに、宿泊者が自由に出入りしていて安全上問題があること
  • 宿泊者が廊下やエレベーターで大声を出して騒いでいた

こうした行為が区分所有法で禁止されている「共同利益背反行為」に当たるという主張ですね。

これらは違法民泊で悩むマンションにおいてだいたい当てはまる事項であると思います。

 

所有者側の主張

所有者側は民泊の実施を認めたうえで

  • こちらが認めた人が出入りしており、安全面に影響はない

と反論していました。

Airbnbを知らない人には奇妙な主張に聞こえるでしょう。「なんで知りもしない外国人を泊めてそんなことが言えるんだ」と。

しかし、こうした主張するには訳があるんです。

あまり知られていませんがAirbnbには旅行者を迎え入れる「ホスト」が旅行者である「ゲスト」をレビューする機能が付いています。

ホストはゲストが過去に他の家に泊まった際のホストから書かれたレビューを見ることができます。レビューで悪い評価がついていれば、宿泊を拒否することができます。

過去に問題を起こして悪いレビューを書かれてしまうと、それがAirbnbユーザーに公開され受け入れるホストがいなくなります。

このレビューの機能によりゲストがちゃんとマナーを守って使ってくれるゲストなのかが一定程度担保されているのです。

またAirbnbの利用者はプロフィールを公開し、ID認証としてパスポートでの本人確認が行われています。

こうしたところから安全面への配慮はしているので、「共同利益背反行為」には当たらないというのが所有者側の主張でした。

まぁ、旅館業の許可をとらず違法な状態で営業を行っていたのであまり正当な主張とは言えないでしょう。

このようなお互いの主張をぶつけた結果、管理組合側の主張が認められて民泊営業差止の決定がなされたのだと思います。

まとめ

今回の大阪地裁の判断では管理組合側の主張が認められて民泊営業差し止めの決定がされましたが、この通り主張すれば必ず民泊営業を差し止められるわけではないです。民泊差止請求はケースバイケースで判断されると思います。

ただ、多くのマンションで共通して主張できる内容ですので、大阪地裁のケースを参考に訴訟を起こすことはマンションから民泊を追いだすのに有効な手段でしょう。

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