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観光客向け宿坊施設の作り方

   

 

新法の制定など法整備が進みつつある民泊事業ですが、それとは別に昔から旅館以外にも宿泊施設として運営していたのがあります。

その中のひとつとしてお寺や神社では参詣者や僧侶の宿泊施設として「宿坊」が設けられていました。

最近では、一般観光客の受け入れる施設が増え、宿泊だけでなく、寺社文化の体験講座などが大変人気を集めています。

宿坊についても旅館業法の適用を受けるのが一般的ですが、少し特殊なものになるので宿坊を始めたいという寺社の方のために、宿坊施設の作り方について解説してみたいと思います。

宿坊を始める上で必要な手続き

寺社において観光客向けに宿坊を始めるには、

  • 旅館業許可の取得
  • 消防設備の確認・追加
  • 営業設備の設置・改修

が必要です。

旅館業法の適用や消防法上の設備は宿坊の運営形態によって決まります。

無料での宿泊施設、年数回レベルの寺社体験講座に伴う宿泊の場合は旅館業許可不要の場合もあります。

 

旅館業許可について

観光客向けに宿坊を始める場合は、旅館業法が適用されるため旅館業の許可を取得しなければなりません。

法人税法に関する国税庁の基本通達でも

(旅館業の範囲)
15−1−39 令第5条第1項第15号《旅館業》の旅館業には、下宿営業のほか、旅館業法による旅館業の許可を受けないで宿泊させ、宿泊料(その実質が宿泊料であると認められるものを含む。以下15−1−42までにおいて同じ。)を受ける事業が含まれる。したがって、例えば宗教法人が宿泊施設を有し、信者又は参詣人を宿泊させて宿泊料を受けるような行為も、15−1−42に該当するものを除き、旅館業に該当する。(昭56年直法2−16「七」により改正)

とされています。

この通達と同様に保健所の取り扱いでも寺社で継続的に宿坊を運営する場合には、簡易宿所営業の許可や旅館営業の許可が求められます。

ただし、自治体ごとに判断基準が違うので、運営形態を説明して旅館業許可が必要かどうかは保健所に確認します。

簡易宿所営業の許可の取得については以下の記事を参考にしてください。

参考記事; 今後Airbnbに絶対必要!「簡易宿所」許可の取り方

 

消防設備について

消防設備については消防庁の通知(消防予第55号平成15年2月21日)において、

寺社、寺院、教会等は副次的に宿泊の用に供する施設を有する場合もあるが、それぞれの用途としての火災危険性に着目して対応することで十分であり、令別表第一(5)項イ(ホテル・旅館等)が対象とする不特定多数の者が利用する施設とは性格が異なることから、原則として令別表第一(5)項イに掲げる防火対象物としては取り扱わないこと。ただし、寺院の宿坊等であって不特定多数の者が利用しており、かつ、当該用途部分の独立性が強く、専らその用に供されている場合は、令別表第一(5)項イとして取り扱うべき場合もあること。

となっており、既存建物を使用して宿坊を運営する場合には、神社、寺院、教会等に必要な設備で足ります。

独立して新たに建物を建てて宿坊を行う場合には、ホテル・旅館と同じ基準が適用されるので、自動火災報知設備や誘導灯の設置などの追加が必要になります。

建物の用途と必要設備の判断については、名称、営業形態、サービス内容等の要件を総合的に判断して決定されるので消防署へ確認が必要です。

求められる設備についても各自治体によって判断が分かれます。

 

宿坊と建築基準法

宿坊を開く場合には建築基準法も関係してきます。

旅館業の許可を取得する場合には、寺社の場合もホテル・旅館としての建物として扱われます。

用途地域が

  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 商業地域
  • 近隣商業地域
  • 準工業地域

でなければホテル・旅館は建てられないことになっています。

ただし、建築基準法には適用除外があり、

(適用の除外)
第三条  この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一  文化財保護法 (昭和二十五年法律第二百十四号)の規定によつて国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物
二  旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定によつて重要美術品等として認定された建築物
三  文化財保護法第百八十二条第二項 の条例その他の条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物(次号において「保存建築物」という。)であつて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
四  第一号若しくは第二号に掲げる建築物又は保存建築物であつたものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの

文化財として価値のあるものとして指定された建物には、条例等も含めて建築基準法の適用が除外されます。

寺社などが国宝や重要文化財に当たる場合には、営業設備等を備えるだけで許可取得できる可能性があります。

 

まとめ

宿坊は通常の旅館業許可とは少し性質が異なるため、新しく始める場合には役所との協議が必須になります。

逆に、初期費用がかからず、通常では営業不可能な土地でも営業ができる可能性があります。

近年、宿泊ニーズの多様化で宿坊も大変人気が出てきています。

寺社を運営する方は宿坊の営業の検討をしてみてはいかがでしょうか。

弊所でも宿坊に関する相談を承っておりますので

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からご連絡を頂きたいと思います。

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