最近競合が増えすぎて民泊が儲からなくなったなんて思っていませんか?
その原因のほとんどはあなたが自ら儲からない構造にしていることにあります。
なかでもひどいのは間違ったプライシング(価格づけ)です。
収益をあげるための値段設定について書きましたので最後まで読んでみてください。
Contents
価格はどのようにして決まるのか
価格の決定において基本的な原則は需要と供給の関係です。
- 供給が需要を上回ると価格は下がる
- 需要が供給を上回ると価格が上がる
ホテルや旅館の宿泊代金は休日前が高くなりますね。
休日前は宿泊希望者(需要)が増えますが、それに対して部屋の数(供給)が増えるわけではないので価格が上がります。
このように市場経済のもとでは、価格の上下によって消費者の需要や企業の供給量が自然に調節されると考えられています。
イギリスの経済学者アダム・スミスはこれを価格の自動調節機能と呼びました。有名な「神の見えざる手」が働いて需要と供給が調整されるというやつですね。
民泊施設においても去年あたりから登録物件が爆発的に増え、供給量が増えたので宿泊料が下がっている傾向です。収益が上がらないことに悩まされているホストが一気に増えたでしょう。
このような状況下でしっかりと利益をあげるには市場原理から抜け出す一工夫が必要になります。
値下げは絶対にやってはいけない
宿の供給量が増えた時に一番やってはいけないのが「値下げ」です。
ここを理解していない人が非常に多い。
「そんなことをいっても価格を下げて宿を埋めるよりしょうがない」
なんて声も聞こえてきそうですが、
そもそもゲストの決定は絶対的な価格のみで決まるわけではありません。
大事なことはどのような値段がついていようとも、値段以上の価値を感じる人はサービスを利用し、値段以下の価値しか感じない人はサービスを利用しないということです。
例えば東京ー大阪間は深夜バスを利用する人より電車を選択する人の方が圧倒的に多数です。
ある程度年齢を重ねると深夜バスの窮屈な座席でストレスを受けるぐらいなら、値段が何倍もする電車を選択しませんか?
旅行とは非日常を売る商売です。生活必需品と混同した価格設定の仕方はナンセンス極まりないんです。
民泊施設の取るべき価格戦略
民泊施設はゲストに供給できる部屋の数が決まっているビジネスです。
そもそも値下げという価格戦略はその効果により販売個数を増やして売上を最大化することが目的です。
非常に少ない量しか供給できないのにこの戦略を取れば待っているのは廃業です。
少ない供給で利益を上げていくには必ず高利益のサービスを扱うしかありません。
高利益体質の宿を作るは
中小企業の経営と同じですが、狙うべきターゲットは希望する利益でサービスを利用してくれるお客さんのみです。
この優良なお客さんは大企業が狙うことはできません。ここを狙いにいくと全体売上が減りあまりに巨大になりすぎた自社を保つことができないからです。
この優良な顧客をターゲットとして商売できるというのが逆に小さい経営の強みであり、これを生かさない手はないです。
価格の判断に自分なら利用する値段かという観点を入れるのは絶対にダメです。
先に希望する利益を設定しましょう。
そして何より大切なのがサービスの提供の仕方です。
まずは宿の情報提供をきちんとしましょう。宿を始めた経緯、理念、宿で提供するサービス、宿の優れている点等とにかく情報発信をすることでサービスに対して感じる価値が高まり、高くても利用してくれるお客さんが必ず出てきます。サービスを売っていくためには、積極的な情報の提供に手間と費用をかけることが重要です。
また
- 購入経験がないサービス
- これまでに売っているのを見たことがないサービス
- 類似のものから価値を推測することができないサービス
こういったサービスはほとんどの人にとっては価値を見分けられず値段を推測することが困難になります。
こうなると「価格のシグナル効果」というものが働き、高いのだからいいものだろうと判断しだします。
例えば、セミナーにすごく高額な料金を払う人がいます。あれは商品の実体は分からないけれど高い受講料なのだから内容は間違いないという感覚が発生しているんですね。
この2つの手法を組み合わせることで高収益の宿をつくることができます。価格競争に巻き込まれて困っているならこの考え方を使ってみてください。
まとめ
民泊施設も最近では供給が増えはじめたのですが、宿本来の価値より大幅に値下げをしてしまって失敗しています。
値段を自由に決められる民泊運営ではきちんとしたプライシング(価格戦略)がなければ間違いなく廃業の道をたどることになります。
価格に関する考え方は人それぞれで必ずしも一つの方法論だけではないですが、安易な値下げはやめてきちんと運営できる体制を整えてください。