平成28年5月13日に行われた「民泊サービス」のあり方に関する検討会の中で、不動産業界側の委員の方から実際に民泊物件を運用した際の収支についての資料が提出されました。
その資料の中で民泊で運用する際の初期投資、月額投資、月額収入などのデータが詳細に公開されています。
ただしデータを見る前提として、不動産業界側は営業日数の制限をなるべく設けさせないため月額の利益を低く見せる必要があったということを念頭に置いて、収入や支出について見てもらえればと思います。
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運用した物件の詳細
2015年度に3か月間都内のマンションを使って運営が行われました。
東京・浅草 賃貸マンション(2LDK・65㎡)
収容 | 最大人数7名 |
料金 | 1泊1.5万円 1名追加ごと+0.3万円 |
稼働 | 平均16.7日/月(稼働率約56%) |
設備 | ベッド、ソファーベッド、布団、TV、備品等 |
家賃 | 月額26万円 |
これが物件のデータです。不動産物件サイトのHOME'Sによる浅草2LDKでの家賃相場が15.86万円なので相場よりもかなり高額な物件での運用になります。
民泊物件の運用結果
以下が3か月間運用したときの月額平均です。
収入 | 平均40万円/月 |
平均利用者数 | 4名 |
平均宿泊料 | 1泊2.4万円 |
民泊施設の初期費用と運営費用
初期投資 約39.4万円
月額運営費用 約36.2万円
がかかっています。
初期費用にはベッドやTVなどの備品代と備品の設置費用が含まれており、詳細な備品のリストも公開されていたので興味のある方は以下の備品リストをご覧下さい。
月額運営費用には、家賃26万円、リネン5.5万円、清掃3.4万円、Airbnb手数料1.3万円となっています。ここには水道光熱費(2.1万円)などは含まれていません。
リネンや清掃の額からみて業者が入って完全に物件にはタッチしない形で行われていますね。単純には計算できませんが、通常の相場の物件(約16万円)で自分で管理を行った場合、稼働率が56%程度でも、約23万円の利益がでる計算ですね。
この数字を見ると違法な民泊が爆発的に広まっている理由が分かりますね。
なお検討会では月額3.8万円の利益しかでないので営業日数の制限があるとビジネスとして成り立たないとの主張がなされていました。
あくまでデータは参考に
民泊物件を運用した時の収益や費用は大体イメージができたかと思います。
ただし、立地や物件の設備、収容人数などによっても大きく変わってきますし、施設によって稼働率はまちまちです。必ずこの程度収入があるわけではないので気をつけて下さい。
ただ無許可での民泊運営は本当に危険なので、民泊始める方はきちんと許可を取得して合法的に運営を行ってくださいね。