民泊の仲介サイトの最大手であるAirbnbは日本国内の民泊予約が去年より82%増となったことを発表しました。
訪日外国人だけでなく、国内旅行者の層にまで民泊利用が拡大している状況です。
その中でも予約の伸び率が大きかった地域は沖縄県宮古島、鹿児島県、神奈川県の小田原市がベスト3となっています。
国内旅行での民泊利用の盛り上がりについて書いてみたいと思います。
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民泊利用が日本人の間で広がってきています
民泊といえば海外の旅行旅行者に部屋を貸し出すイメージですが、圧倒的に日本人旅行者の利用が多い地域もあります。
2016年には、ゴールデンウィーク中の予約において、日本人の利用者が前年比540%と大幅な伸びを示しました。
地域別にみると、大阪が前年比10倍、東京は前年比4.9倍、京都が4.0倍となっています。
私の地元の神奈川県では、鎌倉が世界の全都市の中で第7位で前年比4.5倍と大幅な伸びを記録しました。
そこからさらに2017年は国内の利用者が82%もアップしたわけですから、日本人の間にも民泊利用が浸透してきたことが伺えます。
日本人の国内延べ宿泊者数は4億2330万人泊で外国人の7088万人泊の約6倍の市場規模です。(平成28年度観光庁宿泊旅行統計調査より)
日本人旅行者の民泊に関しては、今後非常に大きな市場を形成していく可能性があります。
国内は若者の利用者が多い印象
私も何度か民泊施設を体験に宿泊にいったことがありますが、地元湘南では驚くほど日本人の利用者が多いです。
約8割は日本人の利用でした。
その中でも大体半分ぐらいが20代の若者でした。その他には、30~50代のサラリーマンの方や、バイクやロードバイクでの旅行者の方、家族旅行で利用している方にも多く会いました。
ロビーで世代や職業を超えた交流が行われていたのが非常に面白かったです。
日本人の中でも新しい旅の形として認知されてきている印象です。
今後Airbnbが推進しているホストによる体験型プログラムでユニークなものが増えれば、さらに利用が進むでしょう。
参考記事: 暮らす人と旅しよう。Airbnb が新しいサービス「トリップ」を公表!
世界中でこれだけ民泊の利用が広がっているのを見ると、人々の「旅行」に対する意識が変わってきていますね。
神奈川での民泊人気スポットは、箱根、鎌倉、湘南
神奈川県内でのAirbnbの予約では箱根や熱海が近く、新幹線の停車駅がある小田原市が全国3位の伸び率となっています。
箱根地域等は宿泊施設の誘致のために許可取得の緩和をおこなっていたり、まだ物件価格が低くおさえられていることで、最近投資家の間でも人気が広がってきています。
実際に東京に比べると簡易宿所営業の許可は取りやすく、昨年に比べて民泊の施設がかなり増えた印象があります。
ただし、無許可の施設もかなり増加したため保健所の取り締まりも厳しくなってきています。
最近では一斉に無許可の民泊施設に対して、行政指導という形で通知を行っているようです。
私の事務所でも神奈川県西部での旅館業許可取得の相談が多くなってきました。
神奈川県の中でも箱根・湯河原地域は年間宿泊者が約460万人と県内でもトップクラスです。数年前の横浜・川崎地域全体の宿泊者数と比べてほぼ変わらない数値です。
最近ではインバウンド需要の影響か横浜・川崎でも爆発的に宿泊者が増えています。
他にも鎌倉、湘南などで簡易宿所営業の許可を取得した施設では営業が順調のようです。
日本人利用者が増えれば民泊にはさらなる可能性が
日本人利用者が増えたことで神奈川県西部において空き家の宿泊施設への転用が始まっています。
民泊といった新しいニーズの発生により、空き家問題や地域の空洞化問題の解決につながっていくことも考えられますね。
今後は外国人旅行者の動きだけでなく、日本人旅行者の動きにも注目していく必要がありますね。