2018年の3月15日より住宅宿泊事業法を利用した民泊の届出の事前受付が始まります。
「住宅宿泊事業法の届出ってどうしたらいいの?」
とお困りの方に届出の仕方について詳しく解説致します。
Contents
住宅宿泊事業者の届出とは
住宅宿泊事業法(民泊新法)では、一般の住宅で旅館業法の適用を受けずに宿泊事業が可能となります。
詳しくは下記の記事で解説していますので、まずは目を通してください。
参考記事: 民泊新法の施行開始日が決定!新法で民泊を始めるには?
住宅宿泊事業法(民泊新法)を使って民泊運営をする人のことを住宅宿泊事業者といいます。
住宅宿泊事業者というと会社のように感じますが、個人の方も含まれます。
今回は、この住宅を旅行者等に貸し出す人(住宅宿泊事業者)の届出について解説致します。
届出までの流れ
住宅宿泊事業者の届出には、以下の3つの段階があります。
- 法令のチェック
- 必要書類の収集
- 届出書類の作成
1.法令のチェック
住宅宿泊事業法を使った民泊は、どこでもできるわけではありません。
各自治体の条例によってできる場所や営業日について制限があったりします。
まずは、自分の家で民泊ができるのかを調べなくてはなりません。
例えば、東京都大田区の条例では、住居専用地域、工業地域、工業専用地域で住宅宿泊事業法を使った民泊は全面禁止となっています。
住居専用地域とは、用途地域が
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
となっている土地のことをいいます。
用途地域の調べ方については以下の記事を参考にしてください。
参考記事: 【民泊物件探し】知らないと大変なことに!用途地域の調べ方。
また新宿区では、住居専用地域の民泊は「金土日」のみ認められます。
ほかにも多くの自治体でこうした制限が予定されていますので、届出をする前に民泊ができる地域であるかの確認が必要になります。
また住宅宿泊事業法施行規則の中では、
台所、浴室、トイレ、洗面設備が必要であることや、家屋が現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集が行われている家屋、随時所有者等の居住の用に供されている家屋であることなど細かい条件があります。
こうした条件に適合しているのかを調べましょう。
2.必要書類の収集
住宅宿泊事業者の届出には届出書と一緒に証明書類をつけなければなりません。
現在予定されている書類としては
- 住宅の登記事項証明書
- 住宅の図面
- 住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾書
- 住宅が区分所有建物である場合には規約の写し
- 管理組合の確認書(規約に民泊の定めがない場合)
- 法人の登記事項証明書(法人のみ)
- 定款(法人のみ)
- 登記されていないことの証明書(法人は役員全員分)
- 身分証明書(法人は役員全員分)
- 管理受託契約の締結時の書面(住宅宿泊管理業者に委託をする場合)
- 誓約書
となっています。
住宅の図面については、台所、浴室、トイレ、洗面の位置を記載したり、居室と宿泊室の宿泊者の使用にかかる部分の床面積を記載する必要があります。
登記されていないことの証明書は管轄の法務局で取得することができます。ただし、支局や出張所となっている法務局では取得することができません。
東京法務局後見登記課に郵送請求をすることもできますが、法務局に出向いて取得するより時間がかかります。
身分証明書は破産者等に該当しないこと、成年被後見人でないことを確認する書類です。免許証などとは違うので注意しましょう。こちらは本籍地の役所で取得することができます。
上記の必要書類以外にも本人確認書類や住民票が必要になる場合もあります。
また、自治体によって書類の省略も認められいるので届出にはどんな書類が必要か確認が必要です。
届出書を記入するときに証明書の情報が役に立つので、先に必要書類を集めましょう。
3.届出書の作成
法令のチェックが終わり、必要書類が集まれば、あとは届出書を作成するだけです。
届出書の基本的な様式は住宅宿泊事業法施行規則の中で定められています。
届出書の作成はそれほど難しいものではなく、必要な情報を埋めていけば完成します。
届出においては、必要書類の収集と図面の作成の方が大変ですね。
届出書が完成したら添付書類と一緒に建物を管轄する役所へ提出します。そうすることで住宅宿泊事業法を使った民泊を開始できます。
まとめ
住宅宿泊事業法の届出は旅館業法の許可申請より簡単な手続きになっています。
書類を集めて届出をすればすぐに始められるので、ちょっと民泊を始めてみたい方にはぴったりな制度だと思います。
しかし、新しい制度ですので、一般の方ではわからないことが出てくるかもしれません。
ちょっと届出が難しそうなんて方は、必要書類の収集や届出書の作成のサポートも行ってますので
よりご相談ください。
これを機会にもっと気軽に世界中の人とつながれる世の中になったらいいですね。